世界の昆布3【昆布の歴史】
今日は、『世界の昆布』 第3回目です。
アメリカ、中国とご紹介を致しましたが、その他の地域はどうでしょう。
ヨーロッパは、海藻を食材としてではなく、
化学薬品や工業用物資として開発、あるいは生活上の用具として利用してきた歴史があります。
17世紀後半からフランスではケルプ工業がおこりました。
ケルプとは大型褐藻類のことで、これを焼いた灰の意味にも使われます。
この灰を石けんやガラス製造のためのソーダなどの原料に用いるのがケルプ工業です。
17~18世紀にかけてフランス、ノルウェー、スコットランドでケルプ工業は全盛期を迎えます。
ケルプは他にも、包丁や紙切刃などの柄として茎の利用をされたり、
イギリスやフランス、ベルギーの沿岸地域では、
「ホカスコルニシュス」という海藻を椅子やベッドの詰物として利用したそうです。
南アメリカの沿岸の一部では、ケルプの大葉で水桶や水かめを作ることもあったようです。
食用のイメージが強い“昆布”ですが、様々な利用方法で
人々の生活を支えています。