大阪城築城と昆布【昆布の歴史】
社団法人日本昆布協会発刊の「昆布」という書籍があります。
この書籍の中の、「大阪築城と昆布」の項では、
大阪城築城のとき、石を運ぶのにたくさんの昆布が使われた
水につけた昆布を敷きつめ、その表面のヌメリを利用してその上に石を滑らせて運んだ
といった文章が紹介されていました。
豊臣秀吉が大坂城を築城する際、石垣を築くのに各地から巨石が運ばれた。
運搬には 「修羅」と呼ばれる木製のソリが使われたが、滑りを良くするためにぬらした昆布を敷き、
ぬめりを利用して巨石を運んだという説だ。
「検証はできませんが」と前置きした上で小笠原さんは続ける。
「役目を終えて町に残された大量の乾いた昆布を、もったいないと大坂の商人たちがしょうゆで煮た
ところおいしいダシが出た。それを機に昆布文化が 定着したとの話です」
老舗うどん店「道頓堀今井」の今井徹社長に聞いた。
「海藻類を使って巨石を運んだ例は 他の地域の城にもあるらしい」といい、「大坂城築城の後に、
海藻をいったん干してから炊くという調理法が定着したかもしれません」。
そして江戸時代に入り良質の食材が大阪に集まったため、おいしいダシの出る北海道産昆布を
味の基本とする食文化が定着したと考えるとつじつまが合う。
過去に昆布がこのような形でも利用されていたとは驚きのエピソードです。