昆布と縁起【昆布の歴史】
いにしえの日本では昆布を「広布(ひろめ)」と呼んでいました。
これは昆布が幅の広い海藻であったことから来ていると言われています。
この「広布(ひろめ)」という語意や発音から、「広める」や「お披露目」といった、縁起の良い言葉に通ずるとして、
昆布はおめでたい席には欠かせないものとなりました。
また「昆布(こんぶ)」という言葉も「喜ぶ」に通ずるので、とても良いとされています。
このように昆布製品は、慶事の品やご贈答品、またお中元やお歳暮の際にも喜ばれる品でございます。
おめでたい日に、心を込めて昆布の贈り物を贈ってみてはいかがでしょうか。
早煮昆布【昆布製品のご紹介】
早煮昆布とは昆布の繊維が柔らかく、おでんの具や、昆布巻、煮物に使っても、煮くずれしにくい昆布を言います。
煮昆布ともいいます。
他店では棹前昆布や若い真昆布を使用する場合もありますが、
当店(をぐら屋)では早煮昆布に使われる昆布は天然の日高昆布になります。
出汁昆布とくらべますと、繊維が柔らかめなので煮えるのも早く、味が染みやすいので、
煮て食べるなど料理に適した昆布です。
料理のバリエーションも多いので、料理をさらに楽しめることと思います。
昆布から出るうまみ成分と滑らかな舌ざわりとを両方楽しめて、栄養も採れる昆布なのです。
春に美味しい、たけのこと組み合わせてみてはいかがでしょうか。
「たけのこと昆布の炊いたん」
如月【日本の四季】
暦の上では春を迎えましたが、体が冷える日々が続いております。
旧暦の2月は「如月(きさらぎ)」と書きます。
如月はもともと「衣更着(きさらぎ)」と書き、2月でもまだ寒さが残っていて衣(きぬ)を更に着る月であるから、と言われています。
まだ残る寒さを「衣を更に着る」という言葉であらわすところに日本の風流を感じます。
季節を感じながら、衣を羽織って、簡単にできる「とろろ昆布と生姜のスープ」でからだをあたためましょう。
とろろ昆布と生姜のスープ
昆布についている白い粉について【昆布の栄養】
乾燥した昆布の表面には白い粉が付いています。
この白い粉はカビや汚れなどと勘違いされやすいのですが、実は「マンニット(マンニトール)」という炭水化物の一種で、元々は昆布の中に存在している栄養分なのです。
ではなぜマンニットが昆布の表面に出てくるのでしょうか。
昆布を長期間保存している間に、乾燥状態の昆布が空気中の湿気を吸い取り昆布の中に水分を含みはじめます。
その水分が今度は昆布から出て行くときに水分と一緒に昆布の栄養分も一緒に外に出ようとします。
そうして表面にマンニットが溜まっていくのです。
このように、白い粉がついた昆布も品質に影響なく安心してお召し上がりいただけます。
マンニットは甘味成分やうまみ成分、更に栄養分をたっぷり含んでおります。
ですのでご使用の際は、固く絞った濡れ布巾で表面をふく程度にすることをお勧めいたします。
おぼろ昆布【昆布製品のご紹介】
まるでうす絹のような美しさ、
口に入れるとまさにおぼろのように溶け、甘い香りがいっぱいに広がる、それがおぼろ昆布です。
おぼろ昆布の命は丁寧で熟練された職人の技にあります。
秋田と呼ばれる金属片を使い包丁の刃先を撫でるように滑らせて、
微妙な角度と力加減によって昆布の表面を削ります。
その薄さは0.01ミリとも言われ、職人の繊細な手さばきでなければ作り得ません。
こうして、目にも美しく、ほどける口溶けの極上のおぼろ昆布が出来上がるのです。
おうどんやお吸い物に入れていただくと、一層美味しくお召し上がりいただけます。
是非、風味豊かなおぼろ昆布をお楽しみくださいませ。

節分と福茶【昆布の料理】
今日は節分です。
豆まきや恵方巻きで健やかな生活を願う方も多いのではないでしょうか。
そのような縁起が良いとされるもののひとつに「福茶」というものがあります。
「福茶」とは、元旦や節分、大晦日などに長寿や無病息災を祝って飲むお茶のことです。
結び昆布と梅干しに、湯または煎茶を注いでいただきます。
その昔、平安時代に六波羅蜜寺の空也上人が、病人にお茶を飲ませて病気から救ったという出来事が元になっているそうです。
節分の日にはこの福茶に節分の豆を入れて飲むという地方もあり、縁起の良いものとして親しまれています。
まだまだ寒い日が続く毎日ですが、あたたかい福茶で福を呼び込んでみてはいかがでしょうか。
昆布の栄養、フコイダンについて【昆布の栄養】
フコイダンは昆布やワカメなど、海藻類独特の「ぬめり」に含まれている成分です。
この「ぬめり」は、海藻の表面が傷ついた際に傷口から細菌等が進入しないようにするバリアの役割や、
潮が引いた際に空気中に露出した海藻が乾燥しないように保護する役割があると考えられています。
そしてこのフコイダンは、現在の医療現場で注目を集めている物質なのです。
胃潰瘍などの原因となるピロリ菌の定着阻害作用、機能性胃腸症の改善作用、抗ガン作用、
コレステロール低下作用、抗炎症作用、抗アレルギー作用などの生理作用が期待される物質として
研究が進んでいます。
昆布を食べるだけで体の免疫力がアップして健康になれるのは嬉しいことです。
最近抵抗力が落ちてきたなとお感じの方は、昆布を使った健康料理を
試してみてはいかがでしょうか。
昆布と日本人の深い関係【昆布の歴史】
「せんとくん」で一躍話題となった、2010年に行われた、奈良の平城遷都1300年記念事業は
記憶に新しいですが、実は昆布の歴史も奈良時代と同じく古いもので、日本人の生活と深く関わっています。
初めて「昆布」が本に記されたのは、奈良時代の歴史書「続日本紀」とされています。
「続日本紀」によると、
「715年(霊亀元年)、蝦夷(現在の東北地方)の須賀君古麻比留から昆布が朝廷に献上された」
という記述が見つかっています。
朝廷に貢献をするということは、昆布がとても貴重なものとして扱われてきたことがよくわかります。
715年というと奈良時代の初期にあたります。
「先祖以来昆布を貢献していた」という記述もあるそうなので、
もしかしたら昆布と日本人の関わりはもっと古いものかもしれません。
昆布の用語集【昆布の用語集】
昆布にまつわる用語集です。調理法や製造法、産地や栄養素など、意外と知らない言葉が多い昆布の世界。お食事としての昆布を一層楽しむ為にも、是非参考にしてください。
■とろろ昆布
手製のものと、機械製のものがあり両者ともにとろろ昆布とよばれる。水に浸せば粘汁を生じとろろのようになる。
手製のとろろ昆布は、酢に漬けて柔らかくした真昆布や利尻昆布等の表面を目打機で目を入れた専用の包丁で糸状に削りとったもの。
機械製は昆布を重ねて圧縮しブロック状に固めその断面を削るため、一見帯状になっているように見られるが、実際は薄い断面が集まったもので、糸状のとろろ昆布に分類される。
■おぼろ昆布
手すき昆布と言えばおぼろ昆布を指して言われることが多いがとろろ昆布との違いは、砥石で鋭く刃を付けた包丁にアキタと呼ばれる金属片を直角にあてて全体を滑らせ、刃先を内側へ曲げた特殊な包丁を使う点。刃先のわずかに曲がった部分で削ることによって、帯状に昆布が削られる。刃の作り方、曲げる度合いや漉く力加減によって厚さや長さが変化し、それぞれの店の特徴によってことなる食感、味わいとなる。
■昆布茶
昆布を乾燥させ細かく刻んだり粉末状にしたものに湯をそそいで飲む飲料。軽く塩味をつけたものや、あられを配合したもの、玉露や抹茶を加えたものもある。飲料としてだけではなく、お料理の際、かくし味として、または減塩のために塩や醤油がわりの調味料としての利用が増えている。また乾燥させた梅肉を配合したものは梅昆布茶と呼ばれる。関西ではお祝いの席やお正月に緑茶に結び昆布と小ぶりな梅干しを入れて飲む昆布茶の習慣がある。
■昆布巻き
身欠きニシン(ニシンの干物)や鮭、帆立、アユ、コブナ、ワカサギなどの水産物系や牛肉やゴボウなどを昆布で巻き、醤油、砂糖、水飴で甘辛くし、やわらかくなるまで煮たもの。他にも中の具材はいれず巻いた昆布とかんぴょうだけで巻いたものもあり、おでんの具や仕出し弁当の具材としても利用されている。
■昆布締め(昆布〆)
富山県の郷土料理のひとつで、こぶじめとも呼ばれる。刺身を昆布で挟み冷蔵庫で一晩ほど置いたもので、わさび醤油につけて食べる。昆布の旨みが刺身に移ることで、元の刺身とはまた違った味わいになる。
■松前漬け
北海道松前の郷土料理。数の子をスルメと昆布に合わせ塩漬けしたもの。味付けは醤油が主体。
■真昆布(マコンブ)
北海道道南産地方で採れる昆布の種類。昆布の切り口に色の違いがあり、産地によって白口浜、黒口浜と大きく分けられ、出し昆布は黒口、おぼろ昆布や塩昆布は白口ともいわれている。出し汁は上品で透き通っていて、くせのない旨味と香りがある。大阪などのだし汁は大抵この真昆布が使われる。
■がごめ昆布
北海道道南地方の海に分布している、表面の凸凹がカゴの目のようになっていることが名前の由来となっている。
水溶性の食物繊維であるアルギン酸が多いため粘り気が強く、抗がん作用や血圧効果作用のある「フコイダン」という成分が多く含まれている。
■酢昆布
酢をベースに様々な調味料で味を付けた昆布の事。駄菓子の一種で、おつまみなどにも用いられる。
■刻み昆布
コンブを干して細く刻んだ食品。糸こんぶやサラダ昆布とも呼ばれる。
最も古くからある昆布の食べ方の一つ。
■早煮昆布
主に日高昆布を指してこう呼ばれることがあるが、真昆布や利尻昆布など他の昆布にくらべ、身が薄く煮てすぐに柔らかくなるため煮炊き物に向き、おかず昆布とも呼ばれたりする。煮すぎると煮崩れすることもある。
■フコイダン
昆布、わかめ、もずくなどの粘質物に多く含まれる成分で、がん細胞を自然消滅に追い込み、また抗がん剤や放射線の副作用を抑える働きのあることが発見されている。

