「昆布」=「よろこんぶ」【昆布の歴史】
昆布が古来より結婚式やおせち料理など
おめでたいことに用いられてきたことはよく知られていますが
その理由は一般に「喜ぶ」に通じるから、と言われています。
しかし、実際には「昆布」=「よろこんぶ」と言われ出したのは鎌倉・室町時代に入ってからで、
もっと古くには、昆布の古命である「ヒロメ」が「広める」に通じ、
長々としたその姿が縁起が良いと言われていたのです。
現在でも京都・大阪方面では、祝儀の際幅の広い山出し昆布をたてに二つ折りし
これをくるくる巻き、紅白の紐で結んだものを三宝にのせて床の間に飾る習慣 が残されています。
また俗に、結婚披露宴を「おひろめ」と言うのも「ヒロメ」という古称から来ているとも言われています。
戦国時代には武士階級の出陣、凱戦の儀式に昆布は欠かせぬものとなりました。
敵に「打ち勝ち喜ぶ」という語呂合せで、勝利のときには「勝ち、打ちて喜ぶ」と順序を逆にして祝いました。
当時の武士達は、戦場に赴くときも、戦に勝った時も何かにつけ昆布を食べていたのです。
これがやがて民間に伝承され、のしあわび昆布は、
結婚や元服(成人の祝い)、その他の慶事になくてはならないものになっていったのです。