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昔から親しまれてきたお茶漬け昆布の料理

小倉屋24年夏のパンフレットの表紙には、暑い夏でもさらさらっといただけるお茶漬けの写真を載せております。
塩昆布や昆布茶をひとつまみ乗せていただけば昆布の風味とうま味の効いたお茶漬けの出来上がりです。
 
その昔、お茶漬けは湯漬けと呼ばれました。
平安時代の「枕草子」や「源氏物語」などの文学作品にも湯漬けが登場します。
また、冷や飯に水をかけたものは「水飯(すいはん)」と言い、源氏物語でも光源氏が食べたという記述があります。
鎌倉時代の「宇治拾遺物語」には、三条中納言と湯漬け飯の面白い逸話が登場します。
昔からお茶漬けが親しまれ食べられてきたことがよくわかる話です。
 
三条中納言は大柄でたいへん太っていた。そこで医師を呼んで尋ねたところ、
「冬は湯漬けの飯で、夏場は水漬けの飯で、食事をされるのがようございましょう。」
と答えた。
中納言は医師の言うとおりに湯漬け・水漬けの飯を食べたが今までどおり肥え太ったまま。致し方なく、もう一度医師を呼んだ。
「お前の言ったようにたが、効き目がない。まあ水漬けの飯を食うて見せるから、ちょっと見てくれんか。」
しばらくたって食事の仕度を始めたのを見ると、まずお膳を一つ持ってきて、中納言の御前に置く。
続いて大皿を持ってきた。大皿には白い干し瓜を三寸ほどに切ったものが十ばかり。また、鮎ずしの大きくて立派なのが尾頭付きのまま三十ばかりも盛ってある。そこへもう一人の侍が、大きな銀製の入れ物に銀のしゃもじを立てて、重そうに持ってきた。
お椀を受け取ると、飯を高々とてんこ盛り。そこに水をちょろっと入れて差し上げる。まずは干し瓜を三口くらいで食べて、五つ六つほど。お次は、鮨を二口で食いきって、これもまた五、六尾ばかりむしゃむしゃと食べてしまう。次は水漬け飯を引き寄せて、二度ばかり箸をさらさらっとやると、お椀は空っぽ。
「お代わりじゃ」
というのを二、三度やると、今度は入れ物の飯が空っぽになってしまい、代わりの入れ物を持って来るという始末。医師はこれを見て、
「いくら水漬けの飯をお食べになっても、この調子では肥満が直るわけがございません。」
と言って、逃げ帰ってしまった。中納言はそのうち、相撲取りのようになってしまわれた。

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